令和8年第3回定例会 一般質問②「災害時のドローン活用について」

前回に引き続き、9/17(木)の本会議で行った一般質問についてご紹介します。今回は「災害時のドローン活用について」です。

※質問の様子は区議会ホームページで動画が公開されています。

   

災害時のドローン活用について

■ 2年前にも取り上げたテーマです

私は2年前の令和6年第3回定例会において、「ドローン利活用の推進と規制の必要性について」一般質問をしました。

※当時の質問はこちらの記事で紹介しています。

  

ドローンは被災状況の調査や物資の輸送、危険な場所の確認など様々な場面で活躍が期待されており、新宿区においてもこうした技術を積極的に活用していくべきだと考えています。

その一方で、「安全保障」の観点も重要です。新宿区の市谷本村町には、我が国防衛の中枢である防衛省があります。ドローンにはカメラや通信機能も備わっており、機体やシステムの安全性に問題があれば、情報漏洩や外部からの不正な操作などにつながる危険性もあることが指摘されています。

こうした問題意識から2年前、ドローン活用の「推進」と「規制」の両面が必要ではないかと質問しましたが、その後、法令の改正などによって状況が大きく変わったため、今回改めて取り上げることにしました。

  

■ 法改正により防衛省周辺のドローン飛行禁止区域が大幅に拡大

ドローン規制法では、国会議事堂や首相官邸、防衛関係施設の周囲およそ300mを「イエローゾーン」に指定し、当該空域でのドローン飛行は禁止されています。新宿区では、市谷本村町にある防衛省の上空がレッドゾーン、その周囲がイエローゾーンに指定されています。

今年6月にはドローン規制法が改正され、イエローゾーンが300m⇒1,000mへと大幅に拡大。これに伴って、新宿区内の「箪笥地域」や「四谷地域」は、半分以上のエリアがイエローゾーンに指定されました。

  

大規模災害時、新宿区は被災状況調査などでドローンの活用も視野に入れています。箪笥地域にある南榎町や、四谷地域にある若葉・須賀町地区には木造住宅が密集している地域もあり、まさにこうした用途でのドローン活用が必要となる可能性がありますが、これらの地域で本当にドローンを飛ばせるのか?(飛ばしても良いのか?)

2年前の一般質問では、防衛省との協議・警察など関係機関との情報共有を進める旨の答弁があったため、今回はそれがどのように進んだのか、また実際に災害が発生した場合、飛行禁止区域でドローンを活用できるのか、改めて確認しました。

  

答弁を要約すると、

・平時のうちに所定の手続きを行い、飛行前に書面で通報を行えば、災害関連業務でドローンを使用できる

・今後、必要な手続きを行っていく

  

  

■ 使用するドローンの安全性も重要では?

もう一つ、今回の質問で重視したのが「ドローンの安全性」です。

一つ前の①の記事でも紹介した通り、今年6月には法令が改正され、地方自治体が調達するドローンについてもサプライチェーンリスクを踏まえた対策が求められることになりました。機体や通信機能の安全性だけでなく、撮影した情報がどのように管理されるのか、製造や保守に関わる企業についても気をつけねばならなくなります。

新宿区は令和6年、民間企業との間で「災害時における無人航空機を活用した支援協力に関する協定」を締結しています。災害発生時、民間企業が保有しているドローンを使わせてもらって、被災状況の情報収集や調査を行う、という内容です。

ただ現状、世間で最も一般的に使用されているドローンは某中国企業社製のもので、この企業のドローンは国が示す評価制度には登録されていない製品も多く、今後はそうした製品が自治体の調達対象から事実上外れていく可能性が指摘されています。

私は、「安全保障」という事の重要性を考えれば、区が過去に締結したドローンに関する協定について、安全保障上懸念のある機種を飛行させないよう、協定内容を再確認すべきではないか、と問いました。

  

答弁を要約すると、

・区が使用するドローンの機種に制限は設けられていないことを防衛省には確認済み

・一方で、今回の法令改正の趣旨を踏まえ、協定を結んでいる事業者が安全保障上懸念のある機種を使用予定の場合は、機種の変更を協議する

   

   

「防衛省のすぐ近くで、安全保障上懸念のある企業社製のドローンを飛行させないような制限は区に対して講じられていない」ということに驚きを感じましたが……、区の方で自発的にそうした機種を飛ばさないよう取り組むという答弁があったので、少し安心もしたところです。

ドローンの技術は急速に進歩しており、災害対応に活用できる場面も、今後さらに広がっていくものと思います。

その一方で、新宿区には防衛省という重要施設が存在することも決して忘れてはならない、新宿区の固有事情です。

新しい技術を積極的に活用することと、安全保障上のリスクに適切に対処すること。この両方を大切にしながら、災害時に実際に役立つ体制づくりを進めていけるよう、制度や実際の運用についてこれからも注意深く見ていきたいと思います。

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